第24章 中忍試験〜本選〜
会場に入ると、すでに皆集まっていた。
ピリピリとした緊張感はあるものの、久しぶりに会う仲間達の頼もしい顔つきを見て、リエは自然と笑顔になる。
そんな中サスケを探しているのだろう、ナルトがキョロキョロと辺りを見回していた。
「大丈夫、サスケは必ず来るよ。こんな強い人達と戦える絶好の機会、サスケが見逃すはずがないもの」
にっこり笑ってリエがそう言うと、「そうだな!」と、ナルトもいささか安心したようだ。
たくさんの観客。
この大舞台。
相手は各国の強豪ばかり。
クワクする。
早く自分の力を試したい。
そう思える程、この一ヶ月で得たものは大きかった。
「えー皆様、このたびは木ノ葉隠れ中忍選抜試験にお集まり頂き、誠に有難うございます!
これより予選を通過した十名の本選試合を始めたいと思います。どうぞ最後まで御覧ください!」
三代目火影が笑顔で会場に響く大きな声で言う。
いつもと変わらぬ笑顔だが、リエにはどこか不安を取り除こうとしているかのようにも見えた。
それはきっと、この中忍試験にあの大蛇丸が関わっているからだろう。
「あのさ!あのさ!サスケがまだ来てねーけど、どーすんの?」
ナルトが手を挙げ、本選の試験官である不知火ゲンマに質問すると
「自分の試合までに到着しない場合、不戦敗とする!」
ゲンマはピシャリとそう返した。
ナルトに大丈夫と言った手前顔には出さなかったが、試験官のその厳しい一言に、はたしてあの遅刻魔のカカシと一緒で大丈夫だろうかと、リエは少し不安になってきた。