第24章 中忍試験〜本選〜
中忍選抜試験、本選の日。
空は快晴。
今日の風も心地よい。
大きく伸びをして新鮮な空気を吸い込み深呼吸すると、興奮が少し和らいだ。
サスケはカカシと千鳥の最終調整をする為未だ山篭り中だが、
リエは自宅に戻り一泊ゆっくり休んでから、そのまま会場に行くようにカカシに言われていた。
待ち望んだこの日。
正々堂々と今の自分の力を試せる、最高の舞台。
「私の今日の試合、風牙も見ててね」
今は姿を消している友にそう声をかけた。
姿はなくても、風の存在はいつでもリエの傍にある。
青い果実 24
「リエちゃん今日本選だろ?頑張れよ〜!リエちゃんが優勝したら、半額セールにするからさ!勝利の報告、待ってるぜ!」
「あら、それならうちも安くしなきゃぁね。あの小さかったリエちゃんがこんな立派になって、おばさんも嬉しいわぁ。会場に行けなくて残念だけど、お店から応援してるわ!」
「リエちゃん、これ持ってってくんな!頑張れよ!」
商店街の魚屋、肉屋、八百屋の主人に笑顔で声をかけられ、八百屋の主人に投げられたリンゴを受け取りリエも笑顔で礼を言う。
まだ父が生きていた頃からずっとお世話になっている商店街の人達とは、家族のように仲良しだ。
会場に向かう道中でも、色んな人から「頑張れ」とたくさん声をかけてもらった。
血はつながっていなくとも木ノ葉の民には温かい繋がりがある。
それがとても嬉しい。
そんな心優しい木ノ葉の住人達が、リエは大好きだ。