第23章 強くなるために
カカシを頼ってやって来たのは、里外れの岩山だ。
こんなところで一体何をしているのか最初は疑問だったが、山を登っていくと答えは簡単に見つかった。
「……リエ?」
お目当ての人物と一緒にいたのは、愛しの彼。
リエを見て、驚きの表情を浮かべている。
彼が身に纏った真っ黒な衣服は埃まみれになっており、疲れているのか肩で息をしていることから、厳しい修行をしているであろうことが見て取れた。
「サスケ、元気そうでよかった。病院勝手に抜け出したって聞いてたけど、カカシ先生に修行つけてもらっていたんだね」
「…あぁ……リエはなんでこんなところに?」
「私もサスケと同じだよ。カカシ先生に修行をお願いしてたの。ずっとチャクラコントロールとかの修行してたら身体が鈍っちゃって」
そう言って肩を回してみせると、 サスケは怪訝そうな顔をした。
なぜ今更チャクラコントロールの修行なんか、とでも思っているのだろう。
そこへカカシが顔を覗かせ、いつものように和かに声を掛けてきた。
「リエ、よく俺の居場所がわかったな。……もういいのか?」
”やらなければいけないことがある”とカカシに伝えたとき、カカシは何かを悟っていたようだった。
恐らく、リエの封印されていた力のことをカカシは知っていて、そしてリエがそれを取り戻そうとしていたこともわかっていたのだろう。
そして今のリエの状況も、きっとカカシは知っている。
そんな気がした。
「はい、よろしくお願いします!」
リエがそう答えると、カカシは何も聞かずニコリと笑顔を返した。