第21章 隠された事実
「…話してくださって、ありがとうございました」
「リエ、自分を信じるのじゃ。それがおぬしの力になる」
そう言ってくれた三代目に深く頭を下げ、リエは火影邸を後にした。
家に帰っても、また独りだ。
サスケのいない家は、いつもより広く感じる。
サスケは、いつ退院出来るのだろうか。
いつまで面会謝絶なのだろか。
サスケに会いたくて仕方なかった。
会って、自分の胸の内の不安を全て話してしまいたかった。
でも、それは逃げだということもわかっている。
全てを知りたいと言ったのは自分だ。
そして火影は、その思いに応えてくれた。
手の中にある巻物を見つめる。
ここに、自分の全てがある。
領地ひとつを壊滅させる程の、恐ろしい力も…。
((サスケなら……迷わず開くだろうな))
望む力がそこにあるのなら彼はきっと力を求める。
そう思ったとき、二次試験で見た、邪悪な力に支配され不敵に笑うサスケの姿が頭に浮かんだ。
((お母さんもお父さんも……ミコトさん、フガクさん…イタチも……皆いなくなってしまった。
サスケまでいなくなるなんて、絶対嫌だ))
けれど同時に、大蛇丸のあの言葉が蘇る。
『リエちゃん、あなたも早く力を取り戻しなさい。昔のあなたはとても魅力的だったわ…それこそ、“うちは”と同じか……それ以上にね』
もし力の封印を解いて、大蛇丸に利用されでもしたら?
また暴走してしまったら?
傷つくのは自分じゃない。被害にあった人達だ。
強くなりたかった。
大切な人達を守れるように。
しかし、いざその力が目の前に差し出されると
ーーー怖くて仕方がなかった。