第21章 隠された事実
リエは小さく頷き、話し始めた。
「幼い頃の私と、母と、それと面を付けた男の人がいました。男は母を狙っていたようです。誰なのかはわかりませんが…暗部の面を着けていたように思います。それで…」
「暗部じゃと?!なぜ暗部が…」
リエの話の途中で、三代目は驚愕の声をあげた。
「あ、いや……夢の話じゃったな。すまんの。続けてくれ」
そんな火影を見て、リエは確信する。
やはりあの夢は、実際に過去に起こったことだったのだと。
「……母は自分自身と私の為に命を懸けて戦い、そして私を守って命を落としました。
目の前で母を殺された直後、風が吹き荒れて……まるで私が操っていたかのように、私の意思の通りに、風は面の男を襲いました。そして、竜巻となったその風は……」
言葉にするのはともても恐ろしい。
でも、認めないといけないのだ。
リエは小さく深呼吸をし、言葉にする。
「たくさんの命を……奪った……」
リエの話を聞く三代目のその瞳は閉じられ、眉間の皺は更に濃くなっている。
「以前…中忍試験の二次試験の最中、私は風を操って戦っていたようなんです。意識がなくて、全然覚えていないのですが……
だから、それもあってあの夢をただの夢だとは思えなかった。
あの夢は、過去に起こったことなんですよね?私は、真実を知りたいんです。
お願いします、教えてください。私が忘れていることの……私の罪の、全てを」
リエの言葉から一時の沈黙の後、三代目は大きくため息を吐き、
そしてゆっくり立ち上がると、火影室の大きな窓から歴代の火影達の顔が並ぶ火影岩を見つめた。
「その夢がただの夢ではないと思っておるのならば、辛い思いをするということはわかっておろう。それでも聞きたいというのか?」
「はい……目をそらしてはいけないことだと思うから」
リエの真っ直ぐな眼差しを受け小さく頷くと、
三代目はゆっくりと語り出した。