第21章 隠された事実
目を開けると、見慣れた天井。
窓の外に目を向けると、緑の木々がそよそよと揺れているのが見える。
いつも通りの風景。
いつもと同じ朝。
……さっきのは夢だったのか。
体を起こすと、涙がリエの頬を伝った。
いつの間に泣いていたのだろう。
((あれは…ただの夢じゃない…))
全てを思い出したわけではない。
でも確かに幼い頃、
あのとき、自分はあそこにいた。
ーーー母親が殺される瞬間を、目の前で見ていたのだ。
ぼぉっとする頭で部屋を出た。
迫り来る竜巻の轟音が、まだ耳の奥で聞こえる気がした。
((…忍術とは違う…あの力はなんなの?))
夢の中にいたときからずっと、胸の痛みが引かない。
自分の中にある未知の力の存在を知って、身体の震えが止まらなかった。
「……サスケ……」
いつも、サスケが傍にいてくれた。
不安なときは抱き締めてくれた。
でも今、彼はここにはいないーーー
いてもたってもいられなくて、リエはサスケのいる病院へと駆けて行った。