• テキストサイズ

青い果実【NARUTO】

第21章 隠された事実



耳に鳴り響く轟音の中で
男のものでない悲鳴が聞こえた。

ひとつやふたつではない。

風の音の隙間から、人や動物の声、物を破壊するような音までする。

真っ暗な闇に覆われ何も見えなくなった今、いったい何が起こっているのかリエにはわからなかった。


……いや、本当はわかっていたのかもしれない。

ただ、受け入れられなかっただけだ。




「…リエ!!」

名前を呼ぶ声がした。

闇の中で浮き上がるその人影は、リエのよく知っている人物だ。

((お父さん…))

リエの父テルヤは立ち尽くすリエをすり抜けると、襲い来る風を受け流しながら幼い少女を探し当て、その小さな身体をキツく抱きしめた。


「ごめんな…守ってやれなくて…」


初めて聞く、父親の涙声。


その言葉は、亡き妻へかけたものなのか

幼い娘にかけたものなのか


それとも、何の罪もない人々へかけたものなのだろうか。







風が弱まり、闇が薄れ

空間が足元から崩れていく。


落ちるように
リエの意識も遠のいていったーーー

/ 354ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp