第19章 中忍試験〜三次試験〜
やっと出番が来たと嬉しそうにはしゃいだリーは素早く下の階へ飛び降り、我愛羅と向き合った。
目の前にいる我愛羅にリーは言う。
「早々貴方とやれるなんて嬉しい限りです」
「……ふん」
強い相手との対戦を希望するリーにとって、我愛羅は最高の対戦相手と言っても過言ではない。
その証拠に、リーのテンションは最高潮だ。
試合開始の合図がされ、我愛羅の砂がリーを襲い始める。
リーが我愛羅に蹴りを喰らわせようとしても、砂が我愛羅を護るため喰らわせられない。
つけていた重りを外し、スピードをグンと上げたリーが表蓮華繰り出しても、我愛羅の砂が鎧となり彼を傷付ける事は出来なかった。
我愛羅がまるで玩具を弄ぶかのようにリーを傷めつける。
しかしそれを見ても、彼の師であるガイは口の端をあげまだ余裕を見せている。
「木ノ葉の蓮華は二度咲く」
「…二度、ですか?」
ガイのように、リエも兄弟子でもあるリーの勝利を信じたかった。
しかしあの我愛羅の力は侮れない。
彼からは普通ではない何かを感じるのだ。
リーが体内のチャクラの門を開き、それを使う準備を始めた。
彼の身体が燃える炎の如く赤くなっていく。
そして動き出したかと思えば、肉眼では捉えきれないスピードで我愛羅に攻撃を喰らわせていくではないか。
包帯で捕らえ、引き寄せた我愛羅の腹に、最後に重い一発を喰らわせた。
これが“裏蓮華”。
体術を極めた者のみが使うことが出来る、奥義。
ただただ、すごかった。
あまりの迫力に、リエは息を呑む。
しかし我愛羅は地面に叩きつけられる前に瓢箪を砂に戻し、自分自身を守った。
そして術の反動でもう身体が動かせないリーの左腕と左足を我愛羅の砂が捕らえる。
「砂漠柩……!」
術の後に、リー悲痛な叫びが会場に響いた。