第19章 中忍試験〜三次試験〜
日向一族は宗家と分家で区別されており、分家は宗家の為尽くさなければならず、肩身の狭い思いをしていると聞く。
その分家であるネジは、日向始まって以来の天才と称され、
逆にヒナタは宗家であるにも関わらず、妹にも劣ると言われ続けてきた。
そんな環境下だからなのか、ネジがヒナタに対して抱いている感情は、あまり好意的とは言えない。
ヒナタも、ネジに対して萎縮してしまっている。
ヒナタにとってネジは、戦うには酷な相手なのだ。
ネジはヒナタにこの試合を棄権しろと警告した。
自分とヒナタの力の差は歴然だから戦っても無意味だと、そう言ったのだ。
家系のしがらみを恨む今の彼の目に、ヒナタはただの憎しみの対象としてしか映っていない。
目に涙を浮かべて震えるヒナタに、なおもネジは彼女を攻め立てた。
それを見かねたナルトが大声でヒナタを応援する。
彼の応援ほど、ヒナタの力になるものはないだろう。
ナルトの言葉で、ヒナタの目に光が戻った。
ヒナタの眼が白眼に変わり、独特な日向流の構えをする。
「私は、もう…逃げたくない。ネジ兄さん、勝負です!」
「……いいだろう」
ネジもまた白眼に変え、ヒナタと似た独特な構えをし…
二人の戦いは始まった。