第19章 中忍試験〜三次試験〜
音忍の奇襲から三日間は怪我の治療と体力の回復に使った。
残りの僅かな時間での巻物の奪取は難しかったが、たまたま一緒になった薬師カブトの助けもあり、天の書を敵から奪うことに成功したリエ達第七班は、何はともあれ第二次試験を通過することが出来たのである。
青い果実 19
ルーキーは全員ここまで残っていて、それにガイ班、我愛羅たち砂忍、カブトの班、そして音忍の二十二名が残っていた。
人数が多い為そのまま第三次試験、本選の予備試験を行うと試験官の月光ハヤテが言う。
リエが後ろに立っているサスケの様子を伺うと、ちょうどサクラがサスケに棄権するように言っているのが聞こえた。
ナルトもそうだが、サスケは二次試験最後の戦いでチャクラを使い果たしボロボロだ。
しかも大蛇丸につけられた呪印が痛むようで、首を押さえる様子も何度か見せていた。
サクラもサスケのあの異常な姿を見ているから、怖いのだとリエは思う。
サスケが変わってしまうことが。
リエと同じように、不安なのだろう。
それでも……
「サクラちゃん…サスケは一度決めたら考えを曲げないから。ここで棄権するなんてことになったら、サスケはきっと一生後悔すると思う。
だから…サスケの為にも、やらせてあげてくれないかな」
リエがそう言うと、サクラは、でも…と口にしたが、それ以上サスケを止めようとはしなかった。
リエも本当は、サスケを止めたい気持ちはある。
またあのときのサスケのように残忍になってしまったら…そういう恐怖はあった。
それでもサスケを、サスケの強さを、信じたかった。
第三試験の説明が終わり、掲示板に二人の名が表示された。
『うちはサスケVS赤胴ヨロイ』
見上げていた掲示板から目を逸らし、リエは静かに俯く。
重く暗い雰囲気のまま第三次試験予選は幕を開けた。