第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
「リーさん、テンテンさん、ネジさんも…本当にありがとうございました」
リエの服を直し終え、ついでに簡単な治療まで施してくれたテンテン達に深く感謝を述べると、テンテンは気にすることないと笑って、リーを連れネジと共にこの場から離脱した。
シカマル達とも、二、三言葉を交わした後別れた。
次に彼らに会うときは、二次試験終了後となるだろう。
そしてリエやサスケ、ナルト、サクラは手早い相談の末、先のことを考えて回復に専念することになった。
戦いのあったこの場所から早々に離れ、安全な場所を探し、この体を休めて今度こそ鋭気を養わなくてはならない。
サバイバルはまだ半分も終わってはいないのだ。
「リエ…立てるか?」
「うん…でもごめん、走ったりはちょっと…」
言うが早いか、サスケはリエの膝下に手を入れるとそのまま抱き上げた。
所謂お姫様抱っこである。
「い、いいよ!歩くくらいなら出来るし…サスケだって身体辛いでしょう?」
「オレなら大丈夫だ。お前の方が…ずっとひどいだろ」
突然のことに驚いて声を上げるも、サスケは静かにそう言いリエを離そうとはしない。
「…これくらいしか、出来ないから」
彼が呟くようにそうこぼした声色は、自分を責めているようにしか聞こえなかった。
いくら口で大丈夫だと、決してあなたのせいではないと、あなたは私達を守ってくれたじゃないと、リエの本当の気持ちを言ったところで、
きっとサスケは納得しない。
彼には彼の、強い思いがあるから。
だからリエは、サスケの首に手を回すとその首筋に顔を埋めて、こう声をかけた。
「ありがとサスケ。サスケがいてくれて…本当によかった」
その言葉が、サスケの心に届くように祈りながら。
「……じゃぁ、行きましょ」
サクラはそう言うと、周囲を窺いながら皆を先導する。
疲労した体を引きずりながら、第七班は鬱蒼と茂る森の中を再び進み始めた。