第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
無理矢理リーを叩き起こしたテンテンがリエの元へとやってきた。
「ちょっとリエ!あんた酷い格好じゃない!簡単にだけど、私が直してあげるわ」
「え…あ、ありがとうテンテンさん」
実際には第一次試験前に少し話した程度だが、仲間内で彼女の話をよく聞いていたテンテンは面倒見の良さも相まって、
こんなボロボロの彼女をこのまま放っていくことなど出来なかったのだ。
「っていうかアンタ!男なら自分のことより先に、女の子の身を気遣ってやりなさいよね!」
どこから出したのか己の裁縫道具でリエの服を持ち前の器用さで直しながら、テンテンがサスケにそう毒づく。
先ほどのサスケを目の当たりにしてもこうも怯まずにズバッと言うあたり、完璧な姉御肌なのだろう。
彼女の言葉にサスケはハッとしてリエを見やり、その端正な顔を歪ませた。
きっとこんな状態になったのは自分のせいだ、などとでも思っているのだろうことはリエにはすぐわかった。
謝罪の言葉が来るであろうことを察したリエは、サスケが何か言う前に慌てて口を挟む。
「大丈夫!皆のおかげで助かったし、見た目ほど怪我も大したことないんだから。体力とチャクラ切れみたいで…力が入らないだけ。本当だよ」
「…リエ…」
サスケはリエを引き寄せ、きつく抱きしめた。
抱きしめる彼の腕が微かに震えている。
安堵、後悔、不安、恐怖……
その震えがどの感情から来ているのかは、リエにはわからなかった。
「…ちょっと。今私がリエの服直してる最中なの、わかってるわけ?!邪魔しないで!!」
テンテンの怒号が辺りに響いた。
その頃後方では、いのがサクラの髪を切りそろえていた。
なんだかんだ言っても、あの二人は仲が良いのだ。