第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
そしてサスケの追撃は容赦なく続いていく。
((火遁・鳳仙花!!))
見事な印捌きで繰り出された火玉が、今まさに上体を起こしたザクに迫った。
しかしザクはそれに気付き、迎え撃つように両手を虚空にかざす。
「図に乗るな!掻き消してやる!!」
構えた両手の平の穴から、勢いよく爆風が吹き出した。
真空の風圧で、迫る火玉自体を吹き消してしまう目論見だろう。
しかしそれすらもサスケの思惑通りの動きだった。
吹き消された火玉から現れたのは、大量の手裏剣。
やり過ごせたと気の抜けていたザクが、想定外だった攻撃から逃れるはずもなかった。
「ぐあぁっ!!」
鋭利な刃物がザクを襲う。
数多の手裏剣の雨から己を保護する為、ザクは身を屈めて両腕で自ら視界を閉塞させた。
そこにまた、サスケは新たな隙を掴んだ。
「ザク!下だっ!!」
ドスの緊迫した声が響く。
しかしその忠告でさえ、今のサスケの持つスピードからすれば予防線にすらならない。
彼は瞬時にザクの両腕を捕らえ背後に回りこんだ。
そしてそれを掴んだまま、ザクの背に自らの足底をつける。
サスケはザクを拘束したまま、不敵な笑みを貼り付け口元を半月に割った。
「クク…お前…この両腕が自慢なのか…」
「!!」
ザクはサスケの次なる行動を予測して目を剥いた。
しかし彼に対する情けなど、今のサスケは持ち合わせていない。
ザクはサスケにとって、一番やってはいけないタブーを犯してしまったのだから。