第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
サスケがゆらりと身体を揺らして立ち上がる。
そんなサスケの姿を見て、リエは安堵の息を吐いた。
痛む身体を無理に起こし、足に力が入らない為半ば這うように彼の元へと向かう。
「サスケ……よかった、目が醒め……」
サスケの姿を映し出すと同時に、彼女は言葉を失った。
周囲の者達も、彼の異様な様相に息を呑む。
「……リエ……」
サスケの体に纏わりつくのは、目にしたことのない紋様。
彼から溢れ出した目に見えるほどの強大なチャクラは、大蛇丸につけられた呪印から感じた邪気を含んでいる。
「誰だ…お前をそんなにしたヤツは……」
その声色からは、かつてないほどの怒りが感じ取れた。
傷だらけの身体。
赤く腫れた頬。
そして、引き裂かれた衣。
リエがどれだけ傷付けられたのかも、リエの受けた辱めも、一目瞭然だった。
リエを見つめるその瞳は、既に写輪眼が開眼している。
「どいつだ…!!」
「オレだよ!」
返答したのは確かにその当人、ザクであった。
サスケはゆっくりとザクを視界に入れる。
射殺さん勢いで睨みつけるサスケを前にしても、ザクの口元はまだ歪んだ笑みを浮かべたままだ。