第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
「ヤバイ…そいつらは…!」
サクラは叫んだ。
しかしそれも後の祭り。
ザクは迷いを微塵とも感じさせず、人質であるキンの肉体に空気の刃で攻撃した。
当然、その身に意識を宿す いのもダメージを受けることとなる。
一時はこちらに傾いた戦況は、見る見る劣勢へと移行した。
シカマルの術の効力も、限界が見えている。
チョウジに至っては先ほどの肉弾戦車の衝撃が未だに残り、意識を混濁させたままだった。
しかし。
またここに、新たな参戦者が登場する。
「フン…気に入らないな」
どこか侮辱を含んだ声色に、一同はその主を探した。
茂る樹木の枝の上、腕組した日向ネジが立っていた。
その隣にはテンテンも伴っている。
「マイナーの音忍風情が、そんな二線級を虐めて勝利者気取りか」
「何!?」
罵倒の言葉に眉を上げたのはドスだった。
「そこに倒れているオカッパくんはオレ達のチームなんだが…」
リーと、そしてボロボロに傷つき倒れるリエを見て、ネジはドスを睨みつける。
「好き勝手やってくれたな」
全てを見通すような独特の瞳には、苛立ちが色をつけている。
それに怯む自身を焚きつけるように、ドスは挑発した。
「気に入らないなら…格好つけてないで、ここに降りて来たらいい」
そのとき微かにネジが眉を顰めた。
まるでその先にある何かを見透かしたように視線を這わせると、次の瞬間瞳を伏せた。
「どうやら…その必要はないようだ」
煽ったドスは意を汲みきれず、怪訝そうに彼をみる。
ネジの視線は、ある一人の男に向いていた。
そう、目覚めたのだ。
サスケが……