第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
手傷を負いながらも、ザクとリエは攻撃を仕掛け合いながら森の中を駆け抜けていた。
リエの攻撃を躱すのにいっぱいいっぱいのザクに対し、ザクの術攻撃はリエに届く前に打ち消され、クナイなどの攻撃は風圧によって叩き落とされている。
二人が再びサクラの前に姿を見せたときには、完全に形成逆転…
したかに思われたのだが。
「……っ!?」
途端に、リエの身体が崩れ落ちる。
同時に、あれだけ吹き荒れていた風も、掻き消えるように穏やかになった。
「くっ…」
立ち上がろうとするも、傷の痛みだけでない、疲労感と倦怠感がリエに纏わりつき、身体に力が入らない。
「…このガキが!ふざけやがって!!」
プライドを傷付けられたザクは怒りに任せて、動けないリエの頬を思い切り殴りつけた。
殴られた頬はすぐさま熱を持ち、腫れ上がったのが見なくてもわかる。
それでもリエにはなす術がないほどに、体力もチャクラも消耗してしまっていた。
ザクは倒れるリエを冷たく見下ろした後、リエの両腕を片手にまとめ吊るし上げた。
彼のもう一方の手には、クナイが握られている。
ザクの構えたクナイは、迷いもなく彼女の胸に宛がわれていた。
「リエっ!!」
死を予感して、サクラが一際大きく叫ぶ。
しかし、次の瞬間耳に届いたのは、布が裂ける音だった。
「!?」
ザクはリエの衣を胸元から真っ二つに引き裂いたのだ。
「あはははは!いいねザク!犯っちゃいなよ。その女が目の前で犯られて殺されたら、隠れて出てこねー腰抜けのサスケってやつ、一体どうするかな」
くノ一は残虐に顔を歪めて、高らかに笑う。
彼らのあまりにも残虐な言葉や所行にサクラは青ざめリエを見るも、彼女はすでに意識を失っていた。