第2章 出会い
「精が出るな、リエ」
聞きなれた優しい声。
顔を見ずとも誰だかすぐにわかる。
声をかけられたリエは満面の笑みで彼に振り返った。
「イタチ!おかえりなさい!」
長期任務で留守にしていたイタチの元気な姿を見て飛びついて来たリエを抱きしめ、イタチは彼女の頭を優しく撫でる。
「元気だったか」
「うん!イタチも……怪我ないね?無事でよかった」
修行を切り上げ、イタチと仲良く手を繋いで一緒にうちは家に向かう。
リエがうちは家に世話になり始めてから早一年。
初めは遠慮がちなリエだったが、すぐに家族に打ち解け、今では本当の家族以上に可愛がられている。
「ね、イタチ。この前サスケがね、私が作ったおかかおにぎり、初めて褒めてくれたんだよ。今までイマイチって言われてばっかりだったから、すごく嬉しかったの」
「そうか」
「サスケっておかかおにぎり大好きみたいでね、こだわりもすごいの。おにぎりって握り方で味変わるんだって、サスケに言われなきゃわからなかったよ」
「サスケが認めるくらいならさぞ美味いんだろうな。俺にも作ってくれるか?」
「うん、もちろん!あ、それからね………」
イタチがいなかった一週間の出来事を、リエはイタチに語って聞かせた。
イタチは自分のことをほとんど語らないのでリエばかりが喋っているが、それもいつものことだ。
任務は秘密厳守。
リエもそれはよくわかっているのでイタチにそれを聞くことなどはしない。
イタチが無事だった、その事実だけでいいのだ。