第2章 出会い
「はっ!はっ!」
一声一声気合を入れながら、リエは大木に拳を打ち込んでいく。
大木にはさらしを何重にもして巻き傷がつかないようにしているが、そのさらしもすでにボロボロだ。
毎日懸命に体術を磨いている結果が、形となって表れていた。
父が残した書物や巻物などで知識を得て忍術を試してみたのだが初級忍術ですらリエには上手く出来ず、
イタチから忍術やチャクラのことなどを聞いて勉強したうえで再度試したのだが、それも功をなさない結果になった。
悔しかったが力不足は十分承知していたし、
自分の勝手な行動で何かあっては大変だからとアカデミーに入るまで忍術は使わないことにし、今はそれ以外の修行に勤しんでいる。
手裏剣術は毎日の修行の成果か大分板についてきたので、リエは今体術に力を入れていた。
父親との約束を胸に、強い忍者になるために。