第17章 中忍試験二次試験〜死の森〜
「ナルト!」
サクラが言葉と共にクナイを投げ、ナルトの間近にあった大木の腹になんとか縫いつけることに成功した。
リエはサスケの元に舞い戻り、彼を見据える。
彼女のその表情は、今まで長いこと一緒にいたサスケでも一度も見たことのないもの。
決意を固めた、戦う者の強い瞳。
「サスケ、今まで頼ってばかりでごめんなさい。でも、もうあなた一人に負担をかけさせないから」
その言葉だけでリエの意思はサスケに伝わる。
一緒に戦おうと、彼女はそう言っているのだ。
リエは、恐怖に打ち勝った。
目の前の敵を排除すると決め、
仲間を、恋人を必死に守ろうとしている。
((リエを守ると誓ったのに、逆に守られてどうする…。それに…))
サスケの脳裏に浮かぶのは、紅い眼を持つ、憎きあの男。
「そうだな。こんなところで命を懸けられないヤツが…どうしてアイツに勝てるんだ」
サスケも、覚悟を決めた。
その瞳は写輪眼を開眼し、
右手には風車手裏剣を、左手にはクナイを構える。
彼の体に渦巻くチャクラは、まぎれない、うちはのそれだ。
長い葛藤の末、導き出した答えと共に
サスケは前衛に躍り出た。