第17章 中忍試験二次試験〜死の森〜
思わず閉じた目を、なかなか来ない衝撃に疑問を感じてゆっくり開けると、
サスケの目に映ったのはナルトだった。
寸でのところで、サスケはまた庇われたのだ。
辛うじて意識は保っているものの、その身は既に傷だらけの彼に。
「よぉ…ケガはねーかよ……」
その言葉は、以前サスケの口をついたもので。
「ビビリくん」
ナルトの言葉に触発されるように、サスケは強敵に出会う前の、己の力を信じて突き進んでいた自分を思い出した。
しかし大蛇は長い舌で、ナルトの体を絡め取る。
「うわぁっ!ちくしょー放せー!!」
言葉は空を切るだけだった。
そのままナルトは女の元へと運ばれていく。
リエ達には女の声もナルトの声も聞こえなかったが、何らかの会話が交わされていたのは見て取れた。
そして何かやられたのであろう、ナルトは昏倒してしまった。
女はナルトの忍具ポーチから天の書を抜き取ると、用済みの体を冷酷にも投げ捨てる。
その足場は地面よりもかなり高い位置。
受け身も取れぬ今の状態では、死は必死だ。