第16章 中忍試験〜一次試験〜
第一次試験の内容は、ペーパーテストだという。
まさか中忍選抜に筆記試験が出ようとは思ってもなかったナルトは焦っていた。
それもそのはず、ナルトは極めてそれが苦手なのだから。
七班のメンバーは見事にもバラバラな席を宛がわれたが、幸運なことにリエはシカマルの隣の席だ。
友達が傍にいるというだけでも緊張が少しほぐれた。
現れた試験管の中でも長を司る男は、森乃イビキと名乗った。
厳めしい面構えに拍車をかけるような傷痕が、顔の至るところに見られる。
彼は端的に本試験のルールを説明し始めた。
それは以下のとおり。
試験は十点満点からの減点方式。
不正解毎、一点ずつ引かれる。
更にカンニングはマイナス二点と換算。
持ち点がゼロになった時点で失格。
しかも各班連帯責任となり、一人でも失格者が出ればその時点で道連れとなる。
前ふたつはともかくとして、ほとんどの者が最後のひとつに重圧を感じただろう。
サスケとサクラの殺気は既にナルトに向いている。
足を引っ張ったら承知しない、という威嚇が目に見えるようだった。
((私も、皆に迷惑だけはかけたくない……頑張らなくちゃ))
リエの額には明らかに嫌な汗が滲み出ていた。
「時間制限は一時間。……始めろ!」
号令の声と共に、受験者たちは用紙を翻した。
周囲からはひっきりなしに筆を走らす音が響いている。
((…なに、これ……))
問題を見て、リエは愕然とした。
((全然わからない……どうしよう……!))
何一つわからないあまりにも難しい問題の数々に、目の前がグルグルと回っていくようだ。