第16章 中忍試験〜一次試験〜
その後、彼が七回目の受験であることや、得意忍術“認識札”を使い受験者の情報などを教えてくれた。
カブトの持つ情報は実際かなり収集されていて、今回の試験への意気込みが窺える。
そのとき、端で彼らを眺めていた三人の忍が迫った。
内一人が空中を舞い、突然クナイを投げてきた。
それをいち早く察したカブトは、すかさず後方へと回避した…のだが、それも奴らには先読みされた動きだった。
カブトの懐に滑り込み、右手から繰り出される打撃が彼を襲う。
しかしカブトも寸でのところでかわすことに成功した。
刹那。
彼の眼鏡がまるで裂けるように割れたのだ。
見切りは完璧だった。
ちゃんとかわせていたのに。
「どういうことだ……なぜ」
傍らのサスケの額にまで汗が伝う。
更にその後、カブトは膝を着き嘔吐した。
「なーんだ…たいしたことないんだなぁ。何回も受験してるベテランのくせに……」
攻撃を仕掛けてきた、不気味にも全身に包帯を纏った男は言う。
「アンタの札に書いときな。音隠れ三名中忍確実ってな!」
そして、初めに斬り込んで来た男はそう笑った。
こちらは胸に“死”の文字を抱いている。
全く得体の知れない怪しげな連中だった。
そのとき、煙幕が破裂した。
白い煙と共に耳をつんざく怒号が響く。
「静かにしやがれ、どぐされヤローどもがっ!!」
そこから現れたのは数十人の試験管。
いよいよ中忍選抜、第一の試験が始まるのだ。