第16章 中忍試験〜一次試験〜
四人はようやく指定された集合場所である、301号室に到着した。
扉を引くと、そこはまさに物々しい雰囲気に包まれていた。
多種多様の各国の下忍達は、その面持ちからも中々の手練れであると推測される。
小さく震える手を、リエは強く握りしめた。
青い果実 16
サスケやリエ達第七班が刻限ギリギリに着いた最後の受験者だったようだ。
ざっと見回すと、見知った顔もちらほら伺える。
今回の中忍選抜試験ではルーキー全員が受験すると相成ったのだ。
アスマ第十班からは
シカマル・いの・チョウジ。
紅第八班からは
キバ・ヒナタ・シノ。
十人のルーキーは口々に再会を悪態つきながらも喜んでいた。
久しぶりに会った彼らとは自然と話題に花咲くし、盛り上がったりもする。
同期の健勝はやはり嬉しいものだ。
しかしそこに水を差す一人の男が現れた。
「おい君達!もう少し静かにしたほうがいいな」
注意を受け、十人は声の主へと視線を移した。
声の主は、銀髪に印象的な丸眼鏡をかけた優男だった。
落ち着いた口調に人当たりのよさそうな雰囲気を醸し出している。
「ボクはカブト。試験前で皆ピリピリしている。君達がどつかれる前に注意しておこうと思ってね」
言われて周りを見回せば、確かに殺気だった視線を感じた。