第15章 中忍試験〜強者〜
「覚悟が出来たであろうな?」
「オ、オッス」
「ではガイ先生、お願いします!!」
彼らはリエ達から少し離れたところにいたので、何を話していたかよくわからなかったが、
亀がそう言うと、甲羅の上に突然煙幕が轟いた。
「全く!青春してるなー!お前らー!!!」
甲羅の上に口寄せされた男
マイト・ガイは謎のポーズにコッテコテの濃ゆい笑顔で登場した。
衣装はリーと同じ緑色のジャンプスーツだ。
「うっげぇぇぇー!!もっと濃ゆいのが出て来たってばよー !!!」
ナルトの絶叫を皮切りに
「激濃ゆ……」
「激オカッパ……」
「激眉……」
「……(否定出来ないなぁ)」
上からナルト、サクラ、サスケ、リエである。
「コラー!!君達、ガイ先生をバカにするなー!!!」
彼らの暴言にリーは声を荒げて怒るが、ナルトが反論する。
「ウッセーってばよ!変なのばっか出て来っから、リアクションに困ってんだよ!」
「なにお~!!」
更に言い返そうとするリーをガイは呼び止めた。
呼ばれリーは素直に振り返る。
そして振り向きざまにいきなり。
「バカヤローッ!!!」
と、愛の拳がリーの頬にクリーンヒット。
「お前って奴ぁ……お前って奴ぁ……」
「せっ…先生……!!」
二人はもうすでに別世界の住人だった。
彼らの両目からは滝のような涙が溢れている。
そして見つめあい……
ガシィ!とむさ苦しい抱擁が交わされた。
「もういい、リー!何も言うな!!」
「先生!!!」
そして端で取り残されたサスケ、リエ、サクラは明らかに引いていた。
ただナルトだけは瞳を輝かせ、一人羨ましそうに眺めていたのだった。