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青い果実【NARUTO】

第14章 中忍試験〜開幕〜



「はじめまして。空風リエといいます。あの、大丈夫ですか?頬……」

リエが先ほど殴られていた頬を心配そうに見やると、彼女は「あんなの、全然たいしたことないわ」と笑った。

確かに、彼女にもリーにも、やられた痕は少しも残っていなかった。

本当にやられたフリをしていただけのようだ。

「あなたがリエね。噂には聞いているわ。どんな子かなって思ってたけど、なるほど納得ね」

「うわさ…ですか?」

とリエが首をかしげると「あぁ、気にしないで」と彼女はクスリと笑った。

「私テンテンよ。よろしくね」



そんなやりとりの後ろでは、リーが頬を染め姿勢もよくサクラに近付いていた。

「ボクの名前はロック・リー。サクラさんというんですね……」

そしてリーは右手親指をグッと立て、白い歯を煌かせた。

お得意のナイスガイポーズだ。

「ボクとお付き合いしましょう!死ぬまでアナタを守りますから!!」

「……絶対イヤ……あんた、濃ゆい……」

多少呆気に取られたものの、サクラはきっぱりと、それはもうきっぱりと切り捨てた。

ガーンという効果音がつきそうなほど落胆するリーだが、それでもめげずに猛アタックを続けている。



「おい、そこのお前…名乗れ」

そしてリーがサクラ達と騒いでいる中、一歩下がったところにいたサスケにネジが声をかけてきた。

真っ白なその目が挑発的にギラリと光る。

しかしサスケは物ともせず、更に煽るように上顎を上げた。

リエの件もあり、その瞳には苛立ちが含まれている。

「人に名を聞くときは、自分から名乗るもんだぜ」

「お前、ルーキーだな……歳はいくつだ?」

「答える義務はないな」

二人の会話はそれきり途絶え、お互い背を向け歩き始めた。






「さぁ!サスケくん、リエ、ナルト!行くわよ!!」

鬱々しい気持ちから解放されたサクラは、満面の笑みで同班の三人の腕を引き寄せた。


いざ301号室
中忍選抜試験会場へ。


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