第14章 中忍試験〜開幕〜
次の日。
志願書提出の為、七班メンバーはアカデミー近くにある食堂の前で待ち合わせをしていた。
リエが考えるのは、サクラのこと。
来るか来ないか。
気になりはしたものの、決めるのはサクラだ。
しかしリエが目的地に着くと、彼女は誰よりも早くそこに到着していた。
昨日あの後から、ずっと夜更けまで悩んだのだろう。
サクラの目の下には隈が出来ている。
それでも、こうして来てくれたことにリエは心から喜んだ。
晴れて揃った四人は、志願書を手にアカデミーへと向かった。
提出会場と指定された301号室には、人だかりが出来ていた。
その中心へと視線を伸ばせば、二人組の男が扉の前で何人かの受験者に粛清をしている。
「これはオレ達の優しさだぜ」
中華風な衣に身を包んだくノ一の頬に、そう答える男の裏拳が入る。
その衝撃で彼女は尻餅をついた。
同じくやられたのだろうか、緑色のジャンプスーツを着た男の口からは軽く出血していた。
吹き飛ばされた二人を、長髪の男が支える。
その内の二人は、リエのよく知る人物だった。
「リーさん?ネジさんも……」
リエの兄弟子ともいえるロック・リーと、ヒナタの従兄弟の日向ネジ。
彼らの姿にリエが驚いて声を上げると、当の二人も驚いた様子でこちらを見た。
しかし手を出した二人組みの男達は、悪びれた様子もなく話し続ける。
中忍試験の厳しさ、落第した者の中に幾多といる忍としての落後者のこと。
「それに中忍は部隊長レベルだ。任務の失敗や部下の死亡……全てが隊長の責任なんだぜ?どっちみち落ちる奴らをふるいに掛けて、何が悪い!!」