第5章 幼馴染からの脱出 5
朝早くにホテルを出発し、まずは『イマーム広場』へ向かった。
「世界の半分」と言われるのは大袈裟な気もするが、『イマーム・モスク』『シェイクルトフォラーモスク』『金曜モスク』のタイル装飾の美しさは凄かった。
二人は、広場を一望できるイラン式喫茶店チャイハーネで、チャイを飲みながらのんびりと広場を眺めたりして、贅沢な時間を過ごした。
その日、イラン料理レストランで夕食をとって、ホテルへ帰った二人だが。。。
夕方から何となくダルさを感じていたれなだったが、部屋へ入ると急に糸が切れたかのようにベッドに倒れこんでしまった。
そして翌日。。。
待ち合わせ時間になっても部屋から出てこないれなが気になって、涼介がドア越しに呼びかけてみても返事がない。。。
一旦、ロビーで待っている現地ガイドに相談し、フロントでスペアキーを借りてれなの部屋に入ってみると、れながベッドに倒れこんでいた!!
涼介「れな!どうした?!」
れな「りょーすけ。。。具合悪いみたい。。。」
涼介がれなの額を触ると、凄い熱だった。
ガイド「今、ノールーズ中で医者がつかまるかわからないけど、聞いてきます!」
そう言って、フロントへ向かうガイドを見送ると、涼介はれなをベッドに寝かせた。
昨日の服装のままのれなを見たところ、部屋へ入ってそのままダウンしたらしかった。。。
熱で意識も朦朧としているれなは汗もかいていたので、涼介はれなの着ている服を脱がせて部屋着に着替えさせた。
そうしていると、ドアをノックする音とガイドの声が聞こえたので、涼介がドアを開けると、医者を連れてきたらしい。
医者はれなを診察すると、腕に点滴を打ち、ガイドに何やら指示をして去っていった。
れなの熱は2日間続き、食欲もないため、再度点滴を打つ事となった。
その間、涼介はずっとれなのそばで介抱をしていた。
やっと熱も下がったが、3日間点滴だけだったれなはまだ固形物を受け付けなかったため、涼介は果物を買ってきて生しぼりジュースなどを作って飲ませてくれた。