第12章 幼馴染からの脱出 12
花火大会当日
夕方近くに大学から帰宅したれなは、祖母に浴衣を着せてもらい、涼介に見つからない内に急いで自宅を出て駅まで行き、花火大会の最寄り駅へ向かっていた。
『今○○駅だよ!』
『もう少しだね。改札出て右側で待ってるね!』
『了解です!』
道中、ラインでそんなやり取りをしながら、やっと目的の駅までたどり着いた。
改札を出ると、すぐに知念を見つける事が出来た。
知念「れなちゃん、浴衣可愛い!」
れな「侑李君、遅くなってごめんなさい。侑李君も浴衣似合ってるね!」
知念「ありがと!もうすぐ花火始まるから急ごうか」
れな「はい!」
花火大会へ向かう一行について行きながら会場へと向かうと、屋台の列が見えてきた。
知念「食べたいものがあったら遠慮なく言ってね!」
れな「ありがとう。それじゃ、かき氷が食べたいな!」
知念「僕も!れなちゃんは何味が好きなの?」
れな「いつもイチゴかブルーハワイ選んでる!」
知念「そうなんだ!じゃ、その2つ買ってシェアしようよ」
れな「ありがとう〜!」
かき氷を買ってきた知念は、1つをれなに渡した。
知念「先にイチゴあげる!」
れな「やったぁ〜。ブルーハワイって唇とか青くなるけど、美味しいよね(笑)」
知念「イチゴ1口ちょーだい!」
れな「はーい!」
知念「えっ?!」
何気なくしたれなの行動に、知念はびっくりしてしまった。