第2章 第一章「ニホンの忌まわしき存在」
「よーし…宴だぁぁぁぁぁ!!!!」
「おぉぉぉぉ!!!!」
たくさんの料理や酒が並び、ブルックの奏でるバイオリンの音、皆の騒ぎ声が海岸を盛り上げる。
はこんなに大騒ぎした事がなかったので、はじめはただただ戸惑うばかりだったが、皆に後押しされ、段々と楽しさが湧いてきた。
「よーし、俺と飲み比べしようぜ」
そうゾロがけしかける。
「そんな、私あまりお酒飲まないし…」
「いいじゃねぇか。負けた方が勝った方の言う事をなんでも聞く。いいな?」
「えー?わ、分かりました」
「おぉぉ!!やれやれー!!」
「ー!負けんじゃねぇぞー!!」
周りに煽られ、飲み比べ対決が始まる。
次から次へと酒を浴びるように飲み、の気持ちも高揚してきた。
十七杯目に突入した頃、ゾロの目がそろそろ怪しくなり始めている。
「おかわりくださーい!」
「、強いわね」
「なかなかやるじゃねぇか…」
「酒に強いちゃん素敵だぁー!」
十八杯目もごくごくと喉を鳴らして飲み干す。
すると、ゾロが机に突っ伏し、
「畜生…限界だ!」
と悔しそうに叫んだ。
「の勝ちだー!!」
「ヨホホホー!勝利の歌を歌いましょうー!!」
皆で肩を組み、歌う。は酒の後押しもあってか、自分でも驚く程にテンションが高くなっていた。
「楽しいー?!」
「はい!楽しいです!」
はナミの問いかけに満面の笑みで答え、ルフィと踊っている。
それを眺めるようにしていたナミとロビンが、目を合わせた。
「あの子、もっと楽しいって気持ちを持つべきだわ」
「そうね…出会った時の目は…とても悲しそうだった。色々なものに絶望しているような目だったわ」
「あの子に楽しい思いをさせる事が、救う事になるのかしら」
「それは分からない。でも、そうしてあげたい」
「ー!俺とも踊ろー!」
二人の横をチョッパーがめがけて走っていく。
その夜は、にとって一生忘れられない、心から楽しいと思った夜だった。
宴が終わり、皆が眠りについた頃、はバルコニーに出ていた。先ほどまでの喧騒が嘘のように静かだ。
すると、隣に誰かが立った。