第10章 xxx 09.彼氏(仮)
窓際に設置されたプレイ用のベッド。
安物のシーツとタオルケットが引かれた上で向かい合い、研磨と視線を絡ませる。
彼は自慰の手をゆるゆると動かし、私を見つめていた。その瞳はトロンとして、熱っぽく潤んでいる。
「カオリ、もっと脚開いて……うん、そう……もっと見せて」
私は枕側の壁に背を預けて、いやらしく濡れたそこに彼の視線を感じていた。
恥ずかしい、でも、それがいいの。きもちいい。もっと、もっと。私のえっちなところを見てほしい。
「あっ、ああ……っ研磨ぁ」
彼の名を呼んで、もっと見てとばかりに腰を突きだす。
研磨の顔色がサッと変わった気がして、直後、彼のキスに唇を塞がれていた。
「今のやばかった……俺の名前、もっと呼んでよ。カオリのエッチな声で、もっと俺を求めて?」
饒舌に囁く彼はまるで別人。
お人形のような研磨はもうそこにはいなくて、激しいキスを落とす彼は、欲に飢えた男の目をしてる。
噛みつくような口づけ。
呼吸する暇すら、与えてはもらえない。