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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第2章 xxx 01.研修



「はい。んじゃあ今から研修な」

 研修……?
 怪訝そうな顔でオーナーを見るが、答えてはもらえない。その代わり、ある物を渡されて思わず眉根が寄った。

「え、これ……うがい薬」

「そうだよ。大正解。
あとタオルな、はい」

 押しつけるように渡されて、ついでに背中まで押されてカーテンの外に出る。訳が分からずきょとんとしていると、今度は光太郎に肩を抱かれた。

「あれ、もしかしてフー初めて?」

「……ふ、ふう?」

「風俗。働くの初めてなの?」

 背が高くガタイのいい彼に覗き込むように聞かれて、思うように言葉が出てこない。それをイエスととったのか、光太郎は「そっか初めてかー」と何やら微笑している。

 そこへオーナーの喝が飛んだ。

「オイ光、お前、食ったら殺すぞ」

 ひゅっ、と息をのんだ光太郎は、青い顔で愛想笑いをしてみせる。その横顔には明らかな恐怖が見てとれた。

「や、やだなあ、わかってますよ。店の女の子には手出しませんって」

「嘘吐けクソガキが」

「うわー信用ないッスね、俺」

 光太郎に肩を抱かれたまま仕事部屋に向かうまで、オーナーの鋭い視線がずっと背中に突き刺さっていた。なんだかこっちまで生きた心地がしなかった。

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