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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第13章 extra xxx 001



 こころを満たすのは怒りだ。

 確かに怒りなのだけれど、それは同時に虚無感でもある。空っぽの暗闇。まるで、胸に大きな穴があいたみたい。

「やらなきゃ殺すよ?」

「ん、うっ、……んんっ」

「あはは、そう、上手」

 俺の声ってこんなに低かったっけ。俺の顔っていつからこんなに醜くなっちゃったんだろ。

 鏡に映る自分はまるで、そう。
 まるで意地悪な魔女のようで。

「あっ、やめ……んっ……!」

 小刻みな痙攣とともに吐き出された白濁。射精しても尚勢いを衰えさせない彼自身に、今度は、震える彼女を跨らせる。

 俺という狂気を前にした恐怖。
 それが彼女から抵抗する力を奪ったらしい。カオリは怯えた顔で、しかし、拒むことなく俺の言うとおりに動いた。

 徐々に下ろされる腰。
 ふる、と彼の身体が震えて、二人はひとつになる。結合部から聞こえるのは耳が痛くなるほどの水音。

 ぐちゅぐちゅと響くそれは喧しく、延々と、俺を苦しめるのだった。

「……っん、は、ぁ……カオリ……? なん、で……っん、ああっ」

 別に、恋じゃない。
 別に、愛でもない。

 友達なんて脆くて不確かな関係でもないし、相棒って彼は言ってくれたけど、それともまた違う気がする。

 岩泉一。俺の大切なひと。

 俺を地獄から救ってくれた岩ちゃんは確かにヒーローで、希望で、光だったよ。ありがとう。ごめんね。

「……さようなら」










第一話「限界陵辱」___fin.
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