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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第12章 xxx 11.幽閉



「……赤、葦さん、の」

「俺の?」

「……っ赤葦さんの為です」

 とんでもない羞恥プレイをさせられている気分だった。身体全部が火のように熱くなって、生理的に滲んだ涙で視界がぼやける。

 思わず俯いて両手で顔を覆った。
 私、いま絶対おかしな顔してる。

「お前、茹でたタコみたいだね」

「……っ! せ、せめてトマトとか」

「じゃあカニ? エビでもいいよ」

 んん、本当に意地悪。なぜそこまで魚介類推しなんですか。林檎とかさくらんぼとか、赤いものって色々あるのに!

「……あまり虐めないでください」

 拗ねたように言って、そっと、彼の隣に腰を下ろす。ベッドを背もたれ代わりにして床に座ると、カーペットの感触が太股にざらりと伝わった。

「俺はそれを楽しみにきたんだから」

 彼の指がつい、と頬をなぞる。
 ぴくりと身体が跳ねて。まつげが震えて。ほら、また、──貴方と目が合うと身体が動かなくなるの。

「目、閉じて……カオリ」

 ほぼ無意識に赤葦さんの言葉に従った。ゆっくり、ゆっくりと、瞼を閉じて、暗闇を見つめる。

「化粧してなくても可愛いよ」

 言葉とともに触れたのは熱。
 まつげに落とされた優しいキスに笑みが漏れて、私は、その甘やかな毒を受け入れるのだった。

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