第2章 第二章
朱塗の鞘に入った刀を銃を構えているのとは反対の手で受け取る。
この刀は鎌倉時代末期、名のある刀匠に造られたが、時代の流れにより誰も見向きしなくなり、結局それを政府が二束三文で買い取ったらしい。
そして一応、居合が得意である俺が使わせてもらっている。
「ほぅ、見慣れぬ武器だな。」
鏡の様に磨き込まれた刀身を目にした青年が興味深そうに声をかけあげた。
その声には若干の幼さが残っており、真っ直ぐ相手に向けた刃先が乱れそうになった。
(駄目だ、余計な事を考えちゃ終わりだ。彼奴を倒さないともったい多くの人間が死ぬんだぞ!)
自らを奮い立たせ、刃先を相手に合わせた数秒後、彼の拳と日本刀が火花をあげてぶつかり合った。