第2章 第二章
相手の鳩尾にめり込ませた自分の拳、どう見ても完璧なクリティカルヒットだった。
なのに次の瞬間、自分の体に強烈な足蹴が入った。
「主!!」
太郎太刀の悲痛そうな声が、聞こえた。
「大丈夫だ。心配すんじゃねぇ!」
気丈に振舞おうとするが、痛みで意識が飛びそうだ。でもここで気絶したら間違いなく俺たちは死ぬ。
撤退も頭に入れつつ蹴ってきた人物、あの青年に向き直る。
「素晴らしいねぇ。どうして気絶しなかったのか、是非教えてもらいたいね。」
「我々、聖闘士があれしきの事に動じるものか。もしそのような者がいたら、そいつはとっくに死んでおる」