第2章 第二章
空間が圧迫されるような気配は、いつの間にか目の前にいた、青年から発せらていた。
「、、、貴殿らは何者だ?」
青年が自分たちに向けて静かに問う。
「ある男を捕まえに来たんだ。」
一応嘘はつかずに応えてみる。
「その男を捕まえたら、われわれはすぐに出て行く。だから…」
「それは、信用できません。」
取り付く島もなく青年が言い切る。それと同時に彼の姿も月明かりに照らし出された。
そこには、瑞瑞しい若葉を思わせるような美しく長い髪の美青年が立っていた。
これなら、倒せる。
自分よりいくらか身長は高く、手練であることは一目で分かったがこちらには太郎太刀がいるし、麻酔銃も普通の銃も、最終兵器もある。ならばここは。
「まぁ、待ってくれ。こっちは許可証をもらってるんだ。」
と言って近づき、ポケットの中に入っていたチラシを彼に渡す。そして、青年の注意が紙に向けられた瞬間。
「悪いね…」
みぞおちに一発。重いのを入れた。