第1章 第一章
そうこうしている間に時刻は昼の十二時になるところだった。そろそろ遠征部隊が帰ってくるため昼飯の用意に行かねば。
しかし今、自分がここを離れれば、平安生まれの二人組が蛍に何をしでかすか分からない。もしかしたら二人がかりで蛍丸にハレンチなことをするかも。
まず自分にできることは…
「鶴丸殿、三日月殿、もうすぐお昼の時間になるます。蛍丸殿は私が見ますゆえ、お二人はお先に…」
「いやぁ、俺はもっと蛍と話していたいぞ。なぁ、そうだろう?」
「うん、鶴丸さんも三日月さんも一期さんも、とってもお話がおもしろいから蛍はもっと喋っていたいなぁ」
予想外の答えに思わず混乱する。もしかしたら己が喰われてしまうかもしれないと分かっているのだろうか。それでも言葉を繋げようとした時、鶴丸がサッと此方に寄ると微かな吐息と共に甘い声で言った。