
第2章 嘘だと言って欲しい2話

あれは一年の冬、そう、ちょうど一年前のことだ。
俺と彩は仲が良く、付き合っているんじゃないかと噂にもなっていた。俺も彩もそんなに気にはしていなかった。俺は彩のことを可愛いと思っていたし彩もその気だった。
ただ、ある日を境に俺は彩から距離をとってしまったんだ。それは……
「彩ー」
「なに?」
「今日も一緒に帰らないか?」
「うん!いいよー笑」
こんな会話をしていつも通りに帰っていた。
「今日はよりたいところがあるんだけど一緒に来てもらえない?」
そう言われたからついて行った。たどり着いた場所は公園だった。ベンチに座って話をしていたら、男の人が来ていきなり
「おい彩。俺と付き合ってくれ。」
そう言い出した。俺も彩も一瞬驚いたが、男はイケメンだ。彩のタイプでもありそうな顔立ちだった。
彩がこっちを向いたがおれは
「いいんじゃない?かっこいいし。」
とゆってしまった。それから男とは続いているのかもわからないが一緒に帰ることも二人っきりで話すこともなくなってしまった。あの時、俺は引き止めていればいいのか、どうすればいいのかわからなかった。
その後悔とあのとき、男と二人っきりにさせてしまったことに対する怒りは今でもある。だから、好きだが告白ができないのだ。
一瞬にして思い出した記憶。
今は野球に専念だ。自分に言い聞かせて家へと帰った。
次の日、いつも通りに光輝と登校してクラスに入るとざわついている。何かと思えば黒板に大きく
「煉華♡頼斗」
と書いてあった。ふたりは顔を赤くさせ、恥ずかしがっていた。だが、否定はしてないみたいだ。頼斗の席まで行って
「おめでとう!頼斗!」そう言うと
「あ、ありがとう」
どうやら、そうとうに、照れているらしい。
その日は部活でもその話題で引っ張りだこに笑
ピッチングの時も気にしていた。
帰りは煉華が待っているからと急いで帰ってしまった。俺と光輝はのんびりと帰った。
家に帰ると久しぶりに彩からLINEが来ていた。
「野球の練習お疲れ様!」
簡潔な文だがとても嬉しかった。胸がドキドキしてしまう。たった一文で。
「ありがとう」と返信し、眠ってしまった。
その次の日の朝光輝から
「昨日いいことありました?」
と聞かれてすかさず
「そうなんだよ!わかるか!」
と、自慢してやった。一つ一つの言葉に反応してくれる光輝が、輝いて見えた……。
