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(HQ) プラトニック・ラブ

第16章 涙色のセカンドキス



 *

 兄は泣いていた。
 大きな瞳から、宝石みたいな涙を幾つもこぼして、泣いていた。

「……っ俺も、好きだ……好きだよ、お前のこと……忘れるなんて出来るワケねえ……!」

 きつく抱かれた腕のなか。

 彼が囁くのは私への想い。愛の言葉。聞こえる。伝わってくる。私のことが好き。どうしようもなく好き。

 今も、これからも、ずっと。


 ──ねえ、お兄ちゃん。

 ──……ん、なんだよ。


 もしもの話、だけどね。

 私たちがもっと大人になったら。バレーとか、兄妹とか、そういうの、全部乗りこえられるくらい、大人になったら。

 もし、そのとき、まだお兄ちゃんが私を好きでいてくれたなら。

 もう一度、こうして。





「──私と、恋をしてくれますか」






 そう言ったら、お兄ちゃん、更に泣きだしちゃったの。それはそれはもう、まるで子どもみたいにね。

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