第2章 お兄ちゃんと私
そりゃそうだろうと思う。
今だからそう思えるんだけど、兄は全国レベルで活躍する、いわゆるエースでキャプテンだ。
性格はよく言えば天真爛漫だし、人を選んで態度を変えたりしない。誰にでも屈託のない笑みで、それこそ、太陽のように笑う。
そんな兄がモテない訳がない。
「まあ、副主将のほうが
モテてるみたいだけど」
「それは言うなって!」
そんなこんなで試合ともなれば、全校女子からの贈りものが、続々と兄宛てに届けられる。
ファンレター(メアド付き)やら。可愛らしい手作りお菓子やら。時には他校生からも届くのだから驚きだ。
それは勿論そう、私こと妹、木兎かおりにも降りかかるので──
「またお手紙が届いてるわよ。それも二通。木兎選手は今日もモテモテですネ」
私は、今日も今日とて、まったく美しくない嫉妬心に苛まれるのでした。
めでたし、めでたし。
「(……まったくめでたくない!)」
お兄ちゃんと私___fin.