第4章 変わってしまった
「なん……で、そんな」
何でそんなこと。
全然知りたくないことを、よりにもよって、赤葦に教えてもらわなきゃいけないのか。
「木兎さん、オーケーするんじゃないかな。あんな綺麗な人に告られたら、俺でも付き合うし、たぶん」
この人は何を言ってるの。
この人は何が言いたいの。
ただただ平凡に、和やかに過ぎていくお昼ごはんの時間。そんなモノはもう存在しない。
平穏は、崩されたのだ。
「そっ……か、へえ!よかったじゃん!これでお兄ちゃんにもやっと彼女が」
「本当にそう思ってる?」
「………え、」
「木兎さんに彼女ができてもいいって、──本当に、そう思ってる?」
この男は今、いったい、
なにをかんがえてるの。
変わってしまった___fin.