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平凡な私と非平凡な彼等

第3章 雲雀恭弥


殴られると思い、痛みを覚悟していた光の前から聞こえた声に目を開く。そこには風紀とかかれた腕章を着けた男子生徒こと雲雀恭弥の姿。光がこちらを見てることに気が付いた雲雀は光に羽織っていた学ランを頭に被せ、これから起こるであろうことを見せないようにさせる。


「咬み殺すよ」


目の前からそう聞こえた瞬間。骨の砕ける音や、殴られる音などが聞こえてきて光は被せられた学ランをぎゅっと握り、行われているものが終わるのを待った。
しばらくすると音が聞こえなくなり、不良達が小さな悲鳴をあげて逃げていくのがわかって光はゆっくりと顔を上げた。そんな光に雲雀は近づき、学ランを受けとり光の頬に優しく手を滑らせ微笑んだ。


「え・・・あの」


「無事で良かった・・・柿澤」


「なんで・・・」


他の女子が見たら惚れてしまいそうなぐらい優しく、甘い微笑みを光に見せた雲雀。呆気にとられている光の頬から手をゆっくりと動かし、光の制服のポケットに手をいれる。光は焦りだし、慌ててその手を止めようとしたが逆に光の手が掴まれてしまい、止めることは出来なかった。


「スマホ・・・持ってきちゃダメなんだけど」


じっととした目で光を見た雲雀だが、視線をそらした光を見てため息を軽くつくとスマホを光に返した。
光は先程の彼等のように咬み殺されると思っていたようで、首を傾げたあと雲雀の目を真っ直ぐと見つめた。その姿を見て雲雀は再び、光の頬に手を添える。


「覚えてないんだよね、僕のこと」


ポツリと呟かれた言葉に疑問を感じながら、首を縦にふる。雲雀はそれを見て再びため息をつく。それに慌てたのか光が付け足す。


「覚えてないけど・・・衝撃があったりしたら覚えるかもしれない」


小さくなっていく声を聞きながら雲雀は少し考えたあと、光の頬にあった手を顎にやり、強引に唇を奪う。深く、舌の入ってきたキスに光は戸惑いを隠せずに抵抗しようとするが雲雀の力にねじ伏せられて何もできずに雲雀から甘く深いキスをされた。
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