第2章 日常
「はぁ」
ポツリとため息をついたのは主人公である柿澤光。なぜ、彼女がため息をついたのかと聞かれると特に理由はないので答えられない。ただ、気がつけばため息をついてることが多い。
「おはよー!柿ピーチ!」
そんな光を他所に現れたのは光の親友の英美である。明るく活発な性格の英美とドライな性格の光。正反対の二人だが、仲はとてもよく1日の大半は二人で過ごすことが多い。もちろん、一人の時間が好きな光の気持ちを理解している英美なので、光としてもありがたい。
光は無愛想ながらも朝の英美の挨拶を返す。すると英美は嬉しそうに大好きなアイドルグループの話をし始める。光が適当に聞いているのも知っているが英美の暴走は止まらず、担任の先生が来るまで話す。それが毎日のやり取りなのだが。
「愛美ちゃん!おはよう」
「おはよう、愛美」
「おはよう。京子ちゃんに花ちゃん」
並盛の2代美女と言われる二人がくると教室は騒がしくなる。英美は二人がくると話をやめ、光の様子を見る。
あきらかに機嫌の悪くなっている光を見て苦笑するしかない英美。五月蝿いのが得意ではない光にとってはこの教室は地獄のようなもの。
「ねぇ、英美」
「なにー?」
「不登校になっていい?」
光の言葉に一瞬固まってしまう英美。そんな英美に気づいた光だったが気付かないふりをして、机にぐでーと顔をくっつける。英美は光の事を見て苦笑しながら光の先程の質問に答える。
「そんなことしたら風紀委員長に咬み殺されるよ」
「・・・・・・風紀委員長って誰だっけ?」