第7章 球技大会
英美に連れられて体育館へと着く。体育館には沢山の人だかりで光の眉間に皺が入る。並盛2代美女も来ていて余計に不機嫌になっていく光を英美が宥める。
光がため息をつき、体育館を見渡すとつい最近喋ったことのある人物。雲雀恭弥の姿に光は口元がひきつる。雲雀の近くにいたヤクザだと思われる人物が光に気づき、礼をするが光は自分に礼をしているとわからずに見て見ぬふり。
「ん!風紀委員長来てるよ!」
「へぇ…………で?」
「でって…………ほら、あそこの先生の近くにいる」
英美が指差す方向には雲雀の姿があり、光は首を傾ける。人に興味のない光には雲雀が何者なのかなんて理解ができずにいた。
「あれが風紀委員長の雲雀恭弥。覚えてね?」
「あぁ…………うん」
英美に言われて曖昧な返事をする光。そんな光にため息が出そうなのを押し殺す英美。そんな英美を見て不思議そうな表情をした光だが、すぐに雲雀の方を向く。すると雲雀がこちらに振り向き、光に向けて優しく微笑んだ。英美は雲雀の表情に驚きを隠せずに見ていたが、雲雀が光の事をみていることに気づき、首を傾ける。
すると雲雀が先生に何かを言い、試合が始まると同時に雲雀が光達のいる方向に歩いてくる事に気づく。英美は光の腕を引っ張り他の場所へ行こうとするがそれは叶わずに終わる。
「ねぇ、君。悪いけど柿澤、借りるよ。しばらくしたら返す」
「あぁ、はい」
英美が返事を返すと、光の返答を聞かずに光の腕を引っ張りどこかへと向かった。英美はその光景を呆然と見送るしかなかった。そして英美はなんとなく雲雀の気持ちを理解してしまい、光を哀れに思っていた。