第6章 転校生
「イタリアから来た 獄寺隼人くんだ」
先生の声と共に女子の歓声が上がる。その瞬間、眉間に皺を寄せる光。光の表情に気づいた先生が焦りの表情をする。英美は先生の表情に気づいたが、特に気にもしなかった。
獄寺の席がツナの隣になり、獄寺がツナの前へと立つとツナの机を蹴り飛ばす。蹴り飛ばされたツナの机の破片が近くの席の光の目の近くに当たってしまい、血が軽く出てしまう。
「柿ピーチ!!大丈夫!?」
「柿澤!大丈夫か!?」
光が怪我をしたのがわかると英美と先生は焦って光の側に寄る。
先程から、なぜ先生が慌てているかと言うと。実は先生達の間では光は有名なのだ。雲雀が光の事を好きだと言うことは、先生達や風紀委員の人々は皆が皆知っていることなので、光に何かあったと雲雀にバレれば自分達の命がないということは解りきっているので必要以上に光に優しくするのだ。
「保健室行くか」
「大丈夫………です」
「俺のために行ってくれ!!」
「は?………はい」
担任の先生の懇願で光は保健室へと行き、消毒をしてもらい絆創膏を貼ってもらった。
この日はバレーの大会があり、休むわけにはいかないので光は英美に連れられてバレーの大会を見るために体育館へと向かう。光自身、バレーには全く興味がないので行きたくは無かったのだが英美が強制的に連れていくことに成功したのだ。しかし、その後光は体育館へと行ったことを後悔したのだ。
「帰りたい」
「ダメだってば」