第10章 遠くに掛かる虹
『 和くん、久しぶり 』
画面越しに見たは
病気が似合わない笑顔だった。
少し痩せたけど、のまま。
『 これを見てるってことは
きっとわたしはもう二度と
直接久しぶりを言えないね 』
その通り、とでも言えばいい?
悲しいくらいその通りだよバカ。
『 最後がこんな形でごめんね?
最後に直接会いたかったけど
日本に行くのは無理な体だし
それなのに病気だって伝えると
無駄に心配かけちゃうだけだから。
こんな形でよかったと思う 』
の気遣いに
ふざけんなって突っ込んだ。
心配なんか幾らでも
かけて欲しかった。
『 簡単に言うと...
わたしの病気は治らないんだって。
翔さんも、他の偉いお医者さんでも。
治療薬が開発されてないらしいの。
どうにか今は薬で生きてられるけど
原因自体は治せないらしい。
翔さんは薬で長生きできる
って言うけどもう無理だと思う。
何だかそんな気がするの。
こんなこと翔さんには言えないけど。
... 病気だって分かったのは
事故にあって入院してから。
あの事故のおかげで
この病気に気付けたし
翔さんにも会えたって考えたら
そんなに事故も悪くないね 』
ふふっと笑うは
今そこで話してるみたいだった。
櫻井先生が好きなが
ただ惚気てるみたいだった。
『 ごめん、話逸れちゃった。
えっと... 途中から
内科の病棟に移ったでしょ?
退院間際に検査してみたら
翔さんが体の中に
異常があるって気付いて。
その時はわたしもそんな
大変な病気だなんて
思ってなかったんだけどね。
翔さんがアメリカにこの病気を
研究してるお医者さんがいるからって
一緒にアメリカに行ったの... 』
そう言い終わっては
決まり悪そうな顔をした。
どんな時にその表情をするか
そんなの丸分かりだった。