• テキストサイズ

虹と君

第9章 儚い虹






あれから何が変わった?
が最後に家に来てから。

髪も切ったし
体重は... まあまあか。
って何の話してんだか。
ただ気持ちは何も変わってない。
これだけはどうしようもなかった。

諦めるって決めたのに
があんな去り方するから。
いや、あんな去り方じゃなくたって
記憶が戻ったって知らなくたって
たぶん諦めれてなかった気がする。






ピンポーン






家のチャイムが鳴る度に
だと期待してしまう自分は
当分前にいなくなった。

何気なくドアを開ける。
そんなことを思ってた途端に
関わりのある人がやってくる。
なんだよこれ出来過ぎだろ。





「 どうも... 」





きちんとしたスーツを着た櫻井先生。
正反対にスウェットの俺。
こうも差が出ちゃいますかね。

後ろを覗き見してみても
の姿はない。
櫻井先生ひとりだけだ。





「 おひさしぶりです 」





にしても何の用?
の記憶が
戻ったのは知ってるし。

・・・あの夜のことがバレた?
しか考えられないよね。
メスで殺されますかね?
逃げた方がいいですかね?





「 突然すみません 」





生気を失ってんじゃないか
って思うくらい
抑揚のない声で話す先生。
こんな人だったっけ?





「 とりあえず中どうぞ 」





ただの勘だけど
あの夜のことは関係ない気がした。
先生の雰囲気というか何かが。

これ以上は踏み入っちゃいけないって
頭に中の自分が何かを察知してる。





「 適当に座ってください。
何か飲みますか?コーヒーとか 」

「 いえ、お気遣いなく。
二宮さんにお伝えしないと
いけないことがあって 」





離婚、なんてフレーズが出てきた私は
どこまで自分勝手で都合が良くて
最低なんだって自分でも思う。



/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp