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虹と君

第6章 新しい君








「 マーガレットの花言葉知ってる?」






ううん、と首を横に振る。
そんな彼女をじっと見つめた。

花のように愛しくてたまらない。
だけど私にはその花を
上手く咲かすことはできなくて。
他の人の方が上手く咲かせて
花もその方が幸せなはず。
それなのにその花が
他の人の手に行くのが惜しい。






「 マーガレットの花言葉は... 」






美しく咲いた花は
私には似合わないから。
また傷つけてしまうから。
だけど近くで見てると
奪いたくなってしまう。
だからもう離れてしまおう。






「 花言葉は... 」






最後にもう一度だけ。
もう一度だけ最後に。
その花に触れさせてほしい。
マーガレットの花びらに
口づけをした。






「 ... 心に秘めた愛 」






の唇にキスをした。
心だけに秘めておけないほど
いつの間にか愛は大きくなった。


ヴァージンロードを歩く相手が
同じ純白の衣装を着る相手が
神父の前に立つ相手が
愛を誓い合う相手が
誓いのキスをする相手が

私だったら
どれほどよかっただろう。
どれほど幸せだろう。

どれほど... どれほど...






どれほどを苦しめるだろう。







自分で導いた答えが
胸をえぐった。

私は... 身の程知らずだ。
を事故に合わせたこと
許されたわけじゃないのに。
一緒にいる資格もないのに
嘘をついてを騙して側にいた。

そんなやつが
なんで一丁前に願ってんだ。
私だったらなんて思ってんだ。

虹よりも綺麗だとも言えない。
好きだとも言えない。
大切だとも言えない。
真実も言えない。
そんなことも言えないのに
ただキスをして逃げる。
あの時と一緒だ。
大切なことは伝えないで
ただキスだけした。
何も君に伝えられなかった。


マーガレットは純粋な愛を
表現するっていうのに
私の愛は純粋なんかじゃない。






「 ... ありがとう 」






ただこれだけ言って
彼女と反対側に足を運んだ。

の顔は見れなかった。
ただ見れたのは
地面に落ちたマーガレットだけ。







この『 ありがとう 』は
『 さようなら 』







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