第1章 いつものきみ
「 スマホ取り返しに来たんでしょ?」
子供のようにクスッと笑う。
そう、は拗ねると
私の物を持って行ってしまう。
迎えに来て欲しいっていう
ツンデレさんな訳よ。
「 そりゃ取り返しに来ますよ。
大事なものだからね 」
大事なもの。
だから取り返しに迎えに行く。
だけどスマホなんかじゃないよ馬鹿。
大事なものは、あなた。
でもそのことは言わない。
言ってやるもんですか。
照れ臭いもんね。
「 今まで何してたの?」
買い物袋の量から
コンビニだとは思えなかった。
しかもこんなに時間かかんないし。
「 夜ご飯の買い物してた 」
「 ハンバーグ?」
「 わたしの好物のシチューです 」
にんまり笑顔で答える。
まあ、嫌いではないけどさあ。
「 ちぇっ、そこは仲直りの印♡
とか言って彼氏の好物出さない?」
「 世の中そんなに甘くないよ 」
「 うわ〜 手厳しい 」
定番すぎた私の言うことに
ふふっと笑う彼女。
「 自分で作ったら?」
「 料理できねえし 」
「 ふふっ 知ってる。
しょうがないから
ハンバーグも作ってあげます。
ハンバーグシチューなら
ふたりとも得でしょ?」
はそう言って
そっと手を繋いでくる。
ぎゅっと握り返すと
恥ずかしそうに顔を赤くする。
「 帰ろっか 」
「 うん ごめんね 」
「 袋、持つ 」
「 ありがとう 」