• テキストサイズ

虹と君

第1章 いつものきみ







いつもそう。
拗ねるとは
「 コンビニ行ってくる 」
と言って家を出て行く。

拗ねさせてる原因は
自分だって分かってる。
なのにそう気づくのは
彼女が行ってしまってから。






「 ... ごめん 」






彼女のいない部屋に囁いた。
彼女に伝えなきゃ意味はないのに。
財布とスマホを手にとって...
ってスマホがないんだけど。
まあ、いっか。






「 迎え行きますかね 」






コンビニに行くって言うけど
本当は近くの公園のブランコで
時間を潰してるって知ってる。

すぐ近くのコンビニに行っただけで
あんなに時間かかるわけないし。

今日はその公園に先に行って
彼女を待ち伏せしてやろう。






「 ... おっそい 」






ブランコに乗ってどれだけ待ったか。
もはやブランコのプロになるわ。

私がただ長く感じてるだけなのか。
いや、やっぱり結構経ってる。
夕日が私の影を伸ばしていくから。






「 あ、来た 」






静かな公園に彼女の影が現れた。

私の姿を見つけた彼女は
遠くから見ても面白いほど
びっくりした顔をしている。






「 な、なんでっ 」






そう言ったかと思うと
そっぽを向いて口を尖らせる。
まだ拗ねてる証拠。






「 ごめんね 」

「 ... じゃあこっちに来てよ 」






お互いに自分の要求を
ばしばしと言う方じゃない。
だから、彼女の要望が
嬉しかったりする。






「 ごめん 」






もう一度彼女に謝って
そっと抱きしめた。
ふたつの影がひとつになる。






「 その謝り方はずるい 」

「 なんで?」

「 分かってるくせに... 」






うん、分かってる。
抱きしめられると
あなたは落ち着くんだって。
私を許してくれるって。





/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp